2008年01月20日

【楽天馬の相馬眼入門】その2.トモの目利き

楽天馬です。

第2回はトモの目利きです。
トモとは、腰から臀部、飛節くらいまでのことです。

私が馬を見たときに、繋ぎの次に見るところです。


トモに、走る素養を感じない馬は、どんなに血統が良くても、出資する気になりません。
でもこれもまた見方が微妙で難しいんですよね。


「調教がはじまる前と後とで、すごく変わる」とか、写真の撮影の時の「脚の置き方で変わって見える」とか良く言われます。
でも、私はここを見ずしてどこを見るのかと言いたいんですよね。
ということで、まあ、我流ですが。読んでみて下さい。


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【楽天馬の相馬眼入門】 その2.トモの目利き

トモは、走る上での推進力の源です。
もともと馬は幼いときには、前肢のかき込みで走ると言われます。

それが成長するにつれて徐々にトモの使い方を覚えます。
ですから、早い時期にトモの使い方を覚えた馬は、1歳馬であってもそれなりの発達がトモに見られます。
私は、それも素質のひとつだと思います。


さて、写真を用意しました。
呼び方ですね。(全部は書いていません。詳細はキャロットクラブの募集馬カタログの最初の方にある「馬体各部の名称」をご参照ください。)

(各部の呼び方)

後躯全体の名称.JPG
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(参考図)
後躯のポイント.JPG

まず、臀部ですね。
臀部は、張りやボリューム感が合った方が、良いに決まっていますが、見るポイントがいくつかあります。
ただ、ムキムキに筋肉がついていたら良いというわけではありません。


ところで、私がよく「トモの奥行き」と呼んでいるのは、参考図に書いたとおり、正式には「トモの長さ」と呼ぶのが正しいんですね。
上の図のとおりですね。
そして、このトモの長さですが、これを「幅」と呼ぶ場合があります。

私はこの「トモの長さ=幅」と、「臀部の横幅」がわかりにくいので、この「トモの長さ」を「トモの奥行き」と呼んでいました。

馬を後ろから見たいわゆる「臀部の横幅」を、「幅」と勝手に呼んでいました。

これからは表現に気をつけたいと思います。

トモの奥行きは、「トモの長さ」、トモの幅は、「トモの横幅」とします。

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◆寛骨

私は、最初に見なければいけないのは寛骨だと思っています。
ちょうど参考図の上の白線ですね。

一般的にも、この寛骨というのは、トモの良い、悪いを見るひとつのポイントとなっています。

ポイントは2つです。

ひとつは寛骨の角度、もうひとつは寛骨と大腿二頭筋のライン付近の筋肉のボリューム感です。

寛骨の角度が急な馬は、成長してもトモ全体のボリューム感(トモの長さ)が無く、いわゆる「トモの薄い馬」になります。

ですから、私の中ではこの寛骨が極端に立っている馬が、最初にオミットされる馬ということになります。

この寛骨の角度(参考図の上の方の白線)は、脚の置く位置を変えてもほとんど変わりませんので、上記のように、姿勢如何に関わらずチェックするポイントになると思います。

種牡馬達の写真を見ていると、この寛骨の角度が立っていない、トモの長い馬がほとんどですね。

それからもう一つの寛骨の線の見方ですが、寛骨と大腿二頭筋で作る「>」の字に注目します。
ちょうど参考図の「>」の白線ですね。
この方向に大腿二頭筋が発達していくと想像してください。


上の白線が、水平線から極端に角度がある場合、必然的にこの「>」の字の頂点が尻尾よりかなり低い位置を差します。
これだとダメです。トモが薄い馬になってしまいます。この方向にはトモが大きくなっていくはずがないですからね。


ですから、この「>」の字の頂点が、大腿二頭筋の発達して欲しい方向とほぼ一致していることがポイントです。
この大腿二頭筋が発達してくるかが、長い競争生活をおくれるか、そして活躍できるかのひとつのポイントになります。


次にボリューム感は、この「>」の字のラインに沿って、筋肉が盛り上がってボリュームがあるように見える、すなわち、このラインがしっかり太くはっきりしている方が、後々トモにボリューム感が出てきて、脚を広げる筋肉である大腿筋膜張筋もたっぷりとよく発達してくると言われます。


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◆飛節

次に飛節ですね。

飛節は、臀部の筋肉のパワーを、脚元に伝える役割を持っています。
ちょうど参考図のオレンジの丸で囲んだところですね。

ですから、この飛節が力強いかどうかも、早く走れるかどうかのポイントのひとつです。

飛節が弱々しいのは×です。後肢がブレやすくなりますし、上手くパワーを推進力にできません。

はっきりと大きなコブのように力強く、ゴリっとしている方が良い飛節と言えます。
さらに、この飛節は角度も重要です。


参考図の赤の線と青の線のぶつかった位置の角度で、「直飛」と「曲飛」を見分けないと行けません。
ちなみに「曲飛」も「直飛」もダメです。どちらもオミットしないといけません。

直飛は、この角度が無い、すなわち直線になっている場合です。
これだとバネが利きません。

また、逆にこの角度が有りすぎる曲飛だと、体重が後ろにかかりやすくなり、スタートも遅くなるほか、走っていても、力が上の方に抜けやすく、バネが推進力につながっていきません。
さらには前脚とぶつかったりと問題が多いですね。


つまり飛節の角度は適度が良いということになります。


さらに、もう一つ付け足すと、参考図の赤の線のカーブ、すなわち飛節から臀端にかけてのカーブ、これを私はバネを見る目安にしています。

バネのある馬ほど、飛節からのこのカーブに一体感があって、きれいなカーブを描き、なおかつこのカーブの上の方に、筋肉(大腿二頭筋)が発達してくる素養(雰囲気)が感じられます。
この部分の筋肉は、なかなか発達してこないので、ここが発達してきそうだという馬は、将来バネのある飛びの大きな馬になる可能性があります。


実際には、坂路調教が始まらないと、発達してこないのですが、なんとなく発達してきそうだという感じは1歳馬でも見て取れます。


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◆その他
ということで、いろいろ書きましたが、直飛、曲飛など極端な馬は、実際に募集馬にもいるときがあります。
これは要注意ですね。
逆に言えば、競争能力にどのくらい影響するか、走らせてみないとわからない部分なのだと思います。


また、尻尾が立っている馬、すなわち「尾離れ良い馬」の方がトモに力があると言う方もいますが、尻尾は、その時の馬の心境でいろいろ変わるので、実際はよくわからないというのが、本当のところのようです。

ただ、尻尾の付け根の筋肉の持ち上がりは、半腱半膜様筋(はんけんはんまくようきん)といって、飛節を伸ばし、馬体を推進する筋肉ですので、重要な筋肉一つです。
ここが盛り上がっているのは、非常に良いトモをしていると言えます。


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<楽天馬の好み>

私がトモの好みは、上記の基本的な部分の他に、もう一つだけ見るところがあります。
それは、参考図の緑の線、すなわち臀部の上部のラインですね。


臀部の形というのはいろいろありますね。それこそ好みがかなりあると思います。
上端が平坦な方が、比較的長く良い脚を使うタイプで、角度がある方が切れ脚系という見方もあります。

もちろん、そんなに単純ではないとは思いますが、丸みがあってメリハリがない、あるいはどうにもつかみどころがない形の臀部をした馬は、あまり好きではありません。

この写真のように臀部頂部より、若干角度があって、”トモが長めの馬”の方が好きですね。

まあ、そうでない馬にも出資していますが、それは全体のバランスや適性で見て、それ以外にもっと好きな、良い部分がある馬なのだということですね。


ということですが、たくさん馬を見て、それぞれ雰囲気を掴むのが手っ取り早いと思います。
特に種牡馬の写真は、参考になる部分が多いですね。

posted by 楽天馬 at 23:43| Comment(3) | TrackBack(0) | 【相馬眼入門】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは!トモですね。
私はなんとなく好きとかなんとなく嫌いなトモはあります。しかし、こうきちんと説明できないでいました。楽天馬さんの説明で自身の好きな形がなんとなく説明できそうな気がします。これから多くのお尻を見て、もっともっと力をつけていきたいです。

確かに種牡馬から馬体を勉強するのはいいことのように思います。参考にさせていただきます。

・・・嫁にまた馬の尻ばっかりみて!としかられそうです@@;
Posted by はるぱぱ at 2008年01月21日 09:47
今回のお話しも大変参考になります。
おおまかには僕も見てたつもりでしたが寛骨?の部分なんかはあまり意識した事はありませんでした。
飛節も注意して見るようになったのは最近ですし。ご一緒のジラベルなんかは飛節や球接、トモの容量なんかもかなりあると思いますけども。
後は種馬の写真なんですが僕もよく見るんですが現役時代とはかなり変わってる可能性はないんでしょうか?
本質的なもんはかわりないと思いますけど。それでもパンフなんかに載ってる写真見てもいい馬だなぁとは思いますけどね。
Posted by はまる at 2008年01月21日 19:30
もう一つすいません。
去年の募集馬の中でキョウエイマーチなんですが。
僕はトモ全体的にいい物があるとは思うんです、ただ脛の部分の筋肉がどうしても他の部分と比べると見劣りするような気がしました。
僕も脛の筋肉は調教などでもなかなかつきにくい先天的な部分と聞いた事があるんで脛の筋肉の付き具合も重視してます。
僕はキョウエイ見た時は全体的にすごくいいトモしてるのに脛の筋力が弱い気がして残念な感じを受けましたがスペシャル産のひょっとしたら特徴なのかもと考えました。その答えは今年か来年にはわかるとは思いますけども。
あとは以前にも言ったかもしれませんがネオユニ産が理想的な脚元してる割に今回のトモ全体の部分では僕は非力な感じを受けるんですが楽天馬さんはどう思われますか?血統的に注目してたアルウェン、確か楽天馬さんは購入されてた思いますが僕はどうしてもトモの部分が非力に思えて購入できませんでした。これは僕個人の感想なんで違うのであれば申し訳ありませんが。
Posted by はまる at 2008年01月21日 22:14
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